1. 長時間のスマホやタブレット使用

スマホやタブレットを長時間使用すると、無意識のうちに前かがみになり、頭が前に突き出た姿勢となる「スマホ首」や「ストレートネック」と呼ばれる状態を引き起こしやすくなり、首や肩の筋肉に過度な負担がかかります。

また、画面に集中するあまり、背中を丸めた姿勢が習慣化されることで、猫背や反り腰などの姿勢の歪みにつながりやすくなります。

成長期の子どもにとっては、このような悪い姿勢が続くことは、骨格や筋肉の正常な発達を妨げる原因にもなりかねません。

さらに、目と画面の距離が近すぎることから視力低下も引き起こし、それを補おうとしてさらに悪い姿勢になるという悪循環となる事も・・・。

 

 

 

2. 学校や塾での座り方

学校や塾では長時間座ることが多く、座り方によっては姿勢に大きな影響を与えます。

たとえば、椅子に浅く腰かけて背もたれに寄りかかったり、机に肘をついて体を斜めにしたりする座り方は、骨盤が後ろに倒れてしまい（後傾）、背中が丸くなった猫背の原因になります。

また、足をブラブラさせたり、足首や足を組んだりする座り方も左右のバランスが崩れて体の軸が不安定な姿勢となります。

成長期の子どもは、骨格がまだ柔らかく、習慣的な悪い座り方が将来の骨格の歪みとして定着しやすいのでご注意ください。

さらに、長時間動かずに座り続けることで、筋肉が硬くなり、血流も悪化し、集中力の低下にもつながる可能性があります。

 

 

 

3. 筋力・体幹の弱さ

子どもの姿勢を保つためには、背骨や骨盤を支える筋力、特に体幹（インナーマッスル）の発達が不可欠です。

しかし、現代の子どもは外遊びの機会が減り、運動不足によって筋力や体幹が弱くなっている傾向があります。

体幹が弱いと、座っていても体をまっすぐに支えることが難しく、すぐに猫背や左右に傾いた姿勢になってしまいます。

また、立っているときも骨盤が前傾・後に傾きやすく（前・後傾）、バランスの悪い立ち方になりやすいです。

更に、姿勢が崩れると、肩こりや腰痛、呼吸が浅くなるなど身体的な不調にもつながりやすくインナーマッスルは姿勢に必要不可欠な筋肉となります。

 

 

4. 精神的なストレスや自信のなさ

子どもの姿勢は、身体的な要因だけでなく、心の状態にも大きく影響されます。

たとえば、精神的なストレスや自信のなさを抱えていると、自然と視線が下がり、肩をすぼめて背中を丸めるような姿勢になりやすくなります。

このような内向的な姿勢が癖づくと、見た目にも元気がなく、周囲からの印象にも影響を及ぼします。

逆に、胸を張って背筋を伸ばす姿勢は、精神的な安定や自信を象徴するものであり、実際にそのような姿勢をとることで、ポジティブな感情が生まれるという研究もあります。

姿勢の悪化は自己肯定感の低下にもつながりかねないため、子どもの気持ちに寄り添い、心のサポートをすることが、良い姿勢を保つためにも大切です。

1. 正しい座り方を覚える

姿勢を改善するためには、日常生活での「座り方」を見直すことがとても大切です。

まず、椅子に深く腰をかけ、背筋をまっすぐに伸ばしましょう。

 

このとき、骨盤を立てて腰を反るのではなく、お腹を伸ばす意識を持つことがポイントです。

骨盤が後ろに倒れると猫背になりやすく、腰や肩に負担がかかります。

 

膝は90度に曲げ、足裏をしっかり床につけることで体が安定します。

背もたれにもたれかからず、自分の筋肉で上体を支える意識を持つとよいでしょう。

 

また、パソコン作業時などは、画面の高さが目線と合っているか確認し、首が前に出ないよう注意が必要です。

低すぎても、高すぎても良くないです。目線の正面にパソコンがあるのが理想の高さとなります。
 

長時間座りっぱなしも姿勢に悪影響を与えるため、1時間ごとに立ち上がって軽く体を動かすことも大切です。最近のスマートウォッチはなどは、スタンディングの機能もついているので利用するのも一つの手です。

正しい座り方を習慣づけることで、体のゆがみやコリが改善され、健康維持にもつながりますので、出来そうなことから始めてみましょう。

 

2. 姿勢を良くするための体幹トレーニング

子どもの姿勢を改善するためには、「体幹」を鍛えることがとても重要です。

体幹とは、腹筋・背筋・骨盤まわりの深層筋（インナーマッスル）など、体の中心部分の筋肉を指します。

体幹がしっかりしていると、立っているときも座っているときも、自然と姿勢が安定し、背筋が伸びやすくなります。

逆に体幹が弱いと、座っているだけで疲れてしまったり、すぐに猫背になってしまったりと、正しい姿勢を維持するのが難しかったりきつくなったりします。

特に現代の子どもたちは、運動不足や屋外での遊びの減少により、体幹が発達しにくい傾向にあります。

 

体幹トレーニングといっても、難しい運動は必要ありません。

 

たとえば、毎日1分間「プランク（肘をついて体を一直線にキープする運動）」「四つん這いで片手・片足を上げる運動」をするだけでも効果があります。

1分間がきつければ30秒×2セットなどでわけてやるのも良いでしょう。
 

また、バランスボールに座ってテレビを見たり、片足立ちでじゃんけんをしたりと、遊びの中にバランス感覚を養う動きを取り入れるのもおすすめです。

家族みんなで楽しく取り組むことで、継続もしやすくなります。

体幹を鍛えることで姿勢がよくなり、集中力や運動能力も向上するというメリットもあります。

 

 

3. デジタル機器の使用ルールを作る

スマホやタブレット、ゲーム機などのデジタル機器は、現代の子どもたちにとって欠かせない存在となっていますが、長時間使用することで姿勢の悪化を引き起こす大きな原因にもなっています。

うつむきがちな姿勢が続くと、首・肩・背中に負担がかかり、猫背やストレートネックの原因となります。

 

これを防ぐためには、家庭内で「デジタル機器の使用ルール」を作ることが大切です。

 

まずは使用時間の上限を決めましょう。

たとえば「1回30分まで、1日2回まで」など、具体的なルールを設定するとメリハリがつきます。

また、使用する際の姿勢にも注意が必要です。

画面は目の高さに保ち、イスに深く腰をかけて背筋を伸ばすよう声かけを行いましょう。

 

スタンドやクッションを使って、自然な姿勢が取れるよう環境を整えるのも効果的です。

 

加えて、一定時間使用したらストレッチや軽い体操を挟むことも重要です。

「ゲームの前に10分体操」「動画を見たら外に遊びに行く」といった習慣づけが、姿勢維持に役立ちます。

ルールは子どもと一緒に決めることで、自主性を育てながら実行しやすくなります。

ルール作りは、姿勢改善だけでなく、生活全体のバランスを整える第一歩です。

 

 

4. 自信を育む声かけも大切
 

姿勢の悪さは、単なる身体的な要因だけでなく、子どもの「心の状態」と深く関わっています。

自信がなかったり、不安を抱えていたりする子は、自然と背中を丸め、うつむいた姿勢になりがちです。

逆に、自分に自信を持っている子どもは、胸を張って堂々とした姿勢を取りやすくなります。

 

つまり、良い姿勢を保つには「心の支え」も欠かせないのです。

そのために効果的なのが、日常的な「声かけ」です。

 

たとえば、「背筋を伸ばしてるとカッコいいね！」「いい姿勢で集中してたね」など、姿勢の良さに注目して褒めると、子どもは自信を持ちやすくなります。

 

また、努力や変化に気づいてあげることも大切です。

 

「昨日よりもずっと背中がまっすぐになったね」といった小さな変化を見逃さず、ポジティブな言葉をかけてあげましょう。

 

姿勢が良いと、見た目だけでなく気持ちまで明るくなり、自然と表情や声のトーンも前向きになります。

これは「姿勢が心を変える」効果でもあり、逆に心の変化が姿勢を良くする相乗効果にもなります。

子どもの心に寄り添い、温かい言葉をかけることで、姿勢と心の両面から健やかな成長を促していきましょう。